病院の新薬と漢方薬の違い
〜自然のものと化学の物質〜
病院で処方されるお薬は新薬とよばれています薬局などで売られている一般的医薬品(OTC)なども新薬です。
新薬と漢方薬には大きな違いがあります。
新薬や一般医薬品は、化学物質でつくられているお薬です。新薬の元となるのは、石油や化学合成によってつくられる物質です。自然のものは、使用しません。
一方、漢方薬は自然のもので構成されているお薬です。新薬は、体内では肝臓に運ばれて代謝されます。
このとき化学品である新薬は身体にとって有害な物質としての扱いを受けます。
体質が弱い方などはアレルギー反応が出たり、肝機能の障害を起こすなど新薬特有の副作用があります。
新薬は、はっきりとした効果があり、即効性のものが多いのですが自然界にない化学薬品は物質としたみたとき、人体にとっては、有害なものでもあるということを忘れてはいけません。
なかには、れっきとした毒薬をお薬的な反応を利用している新薬もあります。漢方薬は、自然界にある天然のものを使います。
化学合成品は一切使用しません。
植物の根や葉、動物や石などの鉱物を使うこともあります。つまり、普段、私達が食べているに非常に近いものです。
〜最適なお薬選びの方法〜
新薬は、病名に対して処方します。
一部の東洋医学を軽視している病院や薬局では、漢方薬を病名に対して処方さ
れているところもあります。
患者さんの体質は一切関係なく、どういった病名に決定したかで処方されるお
薬が決まります。
作用は一定に設定されていて、理論的には誰が飲んでも同じ効果を得る事ができます。
漢方薬は、おひとり、おひとりの体質に対して処方します。
作用は、強いものから、穏やかなものまで、いろいろな種類があり、ざっとみ
ても400種類位あります。
その中からもっとも適したものを選び出します。
漢方薬は、新薬と違って、誰が飲んでも同じ効果を得る事ができません。
ちょうど、『あなたの体質』という鍵穴にピッタリの鍵(漢方薬)をあわせる
イメージです。
鍵穴が、あわなければ、鍵がはずれないように、症状もよくなりません。
漢方薬は、作用が穏やかなようイメージがありますがそんなことはありません。
皆さんもハッカを食べたことがあるかと思いますが薄荷は、漢方ではよく使わ
れる生薬です。
ハッカは食べた瞬間から口の中がスーッとします。
つまりハッカの”発表”という作用が即効で効いている証拠です。
〜副作用について〜
新薬は、数々の臨床試験を経て、副作用を特定します。
ですから、特定された新薬の副作用は、変わることがありません。
漢方薬は、特定の副作用というものはありません。ある漢方薬メーカーさんでは、新薬のような特定された副作用を揚げています
が、漢方の歴史、2000年の中にそういったことは書かれていません。
新薬は、化学品なので体力がなく薬に対して反応が強い方には作用が強すぎてかえって副作用が強くでる方もいらっしゃいます。
では、副作用がないのかと、いわれるとそうではありません。
体質を見誤り、御身体にあっていない漢方薬を飲まれた場合、結構、きつい副
作用があります。
漢方では『誤治』と呼びます。
ある漢方薬で治った方が、同じ漢方薬で強い副作用がでる方もいらっしゃるの
です。
一般的に漢方薬は穏やかで、時間がかかるものと思われているので、おそらく
誤治によって副作用が出ている方も、それを
処方をされた方も漢方薬の影響だ
と思っていないのだと考えられます。
漢方薬は、体力がある方用や体力がない方用のものがあるためその方の状態に
あわせてお飲みいただければ副作用がでることもありません。
漢方薬は様々な体質の方に対応しているお薬です。
〜漢方薬や医薬品の目的〜
新薬や一般医薬品は、対処療法という目的で使われることが少なくありません。 対処療法とは、お薬が効いている間(お薬によりますが例えば数時間程度)、 症状を抑えるものです。 根本的な治療を目的としていないので症状は治まりますが服薬をやめるとまた 症状が出てくる場合があります。 漢方薬は、短時間で対処治療するお薬や根本的にゆるやかに治療するお薬があ ります。 症状を抑えるというよりは、原因となる臓器(東洋医学的な意味での臓器)や 気・血・水のバランスを整えることによって結果、症状がなくなり体質を根本 的にかえていきます。それにはその方の体質にあったお薬が必要となります。 病院のお薬が、あわないと感じておられる方がいらっしゃれば、ぜひ、漢方薬 をおすすめします。