漢方相談をお考えの方
~漢方相談とは~
漢方とは、独特の分析方法を使い、自覚症状を中心とした四診(四診についてはコチラ)を行い、自然治癒力を調整することによって現在の体質を健康な状態に導くよう働きかけるものです。
中国や韓国、日本では、大昔から行われてきた医学です。
歴史についてはコチラをご覧ください。
漢方薬は、治療の1つの方法であって、
漢方薬=漢方ではありません。
なぜ、現在の症状に悩まされるようになったのかを実生活レベルから考え、「お薬を飲めば治る」といった考えではなく、どうすれば、再発しない治療となるのかを考えていくものです。
自然との調和、自分自身の御身体との調和を実現することによって悩まされてきた症状とさよならできるのです
ですから漢方では、体質にあわせた漢方薬のことだけでなく、生活においての治療、養生も大切にします。
おひとり、おひとりの体質にあわせた生活に根ざした治療です。
~漢方相談のいろいろ~
漢方相談と一口にいっても現在は様々な相談方法が行われているようです。
よく聞かれるのが、病名漢方です。
古来より伝わる伝統漢方を正しく理解されていない方や漢方を初めてまもない初学の頃は、西洋医学の病名に東洋医学の漢方薬をあてはめて処方します。
漢方的体質の分析はしません。
漢方医学の知識のない方や漢方医学の理論がまだよくわからない時期に行います。
西洋医学の病名と東洋医学の漢方薬に関係はありません。
ちなみに様々な病名というのは、西洋医学の診断(血液検査やレントゲンにのっとってつけられるものです)によって、決定します。
私も漢方相談の際に病名は参考にしますが、病名は個人の体質はあらわしていません。
例えば、高血圧という病名でも頭痛や眼底出血のある方や自覚症状のない高血圧の方など高血圧だけでは、いろいろな方がいらっしゃいますので、1つの参考データにしかなりえないのです。
漢方薬はたくさんの種類がありますので、より個人にあわせた分析をするほど効果や精度が高いはずなのです。
病名漢方をされているところの特徴は、同じ病気の方は、あきらかに自分と違う体質の方もみんな同じ漢方薬を飲んでいます。せいぜい違う処方でも3種類くらいまでです。
つぎに漢方に慣れてくると、ある程度、決まった漢方薬を頻繁に使うことが多くなります。
特徴として過去にうまくいった漢方薬をよく使います。
病名漢方に方法は似ています。
漢方の歴史的な経験則を生かすのではなく、自分自身の経験によって漢方薬を選択します。
おひとりおひとりにあわせた体質分析や治療の方針、戦略はありません。
過去にうまくいった漢方薬をそれ以上の根拠なく処方します。
また漢方薬とよびながら健康食品を販売する相談もよく行われています。
生薬由来の健康食品を漢方薬のように説明されることがあるようです。
生薬由来の健康食品は、漢方薬ではないので、漢方医学の理論にその使い方は載っていません。
また漢方の理論を都合のよい部分だけ説明に使い相談販売しています。
漢方は本来、東洋医学の理論に基づいて体質を分析し、漢方薬を選びます。
これは、2千年前にほぼ確立されたものです。
漢方薬とよんでいる健康食品は、歴史と経験の上に成り立っている漢方理論とは関係ありません。
生薬由来の健康食品は生薬が含まれているので、漢方薬と呼んでいるのでしょうが健康食品に変わりなく、製造は歴史と経験を参考につくられるのではなく、メーカーの方が独自に情報を集めてつくったものです。
そういう意味では、通常の健康食品となんら変わりありません。
確かに生薬由来なので、ものによっては、補助として使えます。
漢方薬は、1つの生薬を複数組み合わせてあるものです。
ですから、生薬由来の健康食品は、その使用されている単体の生薬をみていけば、ある程度、どういった方に使用できるか。またどんな効果かを推測することはできます。
ただし、残念ながら、漢方医学の理論があるわけではないので、厳密に体質にあわせることはできません。
当店でも生薬的観点から、健康食品を厳選し、補助として使っています。
またこれから、多くなってくると思うのですが、簡単な症状におきかえて宣伝文句だけで販売されている漢方薬もあります。
漢方の効果を体質にあわせるのではなく、その代表的な効果を引き合いに出して宣伝しているものです。
「メタボに効く漢方薬」などがそれにあたります。
ちなみにこういったものに使われている漢方薬は、太りぎみの体質の方に使用するものが使われていて、誤解してはいけないのは、太り気味の体質の方にあった漢方であって、痩せる効果があると言っているわけではありません。
ある漢方薬が使用できる体質と効果とは別のものです。
病名漢方と一緒で漢方薬は体質分析せずに、ある効果だけを期待して飲むものではありません。
現代風にアレンジされたものが氾濫していますので、漢方を知らない方にとっては漢方薬を誤解させてしまう要素がたくさんあります。
上記のものは漢方ではなく、漢方風サプリメントですね。
お値段が安価なので、漢方をちょっと体験するには、もってこいかもしれません。
ただ、こういったものが、本当の漢方だと思われてしまうとちょっと悲しいです。
~漢方相談の問題点~
今まで説明してきたいろいろな相談であっても、はじめに選んだ漢方薬で、すっかりよくなれば問題ありません。要は治ればよいのです。
問題は、よくならなかった場合。又は、なんとなくよくなった気がするが続けたほうがいいのかどうか迷ったときです。
病名漢方でよくあるケースですが、初めの漢方薬で効かなかったら、『漢方は穏やかな効果』とか『漢方は治るのに時間がかかる』といった理由にしてしまうことが、あるようです。
一部あっている部分もありますが、自分の漢方の腕の悪さを効かない言い訳にしていることもあります。
漢方の治療に関しては漢方の治療期間をご参照ください。
健康食品の場合は、うまくいかなくなった場合
飲む量を倍量にする → 種類を増やしていくといった方法をよくとります。
どちらのケースも漢方理論に基づいた体質分析と治療の方針がないので、分量を増やしたり、種類を増やす明確な理由や根拠がありません。ただ単純に増やしたり、種類が増えると効果が高くなると考えるのでしょう。
~本来の漢方相談とは~
本来の漢方相談とは、古来より続く伝統にのっとった分析方法で体質を判断し、その体質にあった漢方薬を選ぶことです。
古来と書くと『現代にあわないんじゃないか』と思われそうですが、環境は随分と変わりましたが、人間の身体は昔とたいして変わっていません。
相変わらず、腕は2本で足は2本、身体の中の臓器も同じです。
食事をとり、睡眠をとらないと体力が回復しないといったようなことも変わりません。
体質分析に関しては、古来より続く方法であってもなんら問題ないのです。
また古来といってもその方法もこの2千年間様々な変遷を経て時代にあわせて随
時、変化しています。
古来からの理論と経験は残しつつ時流をとりいれて、結果のでたものだけが、選ばれて現代に伝わっているのです。
また体質判断だけでなく、体質から考えられる治療戦略も必要です。
戦略の中には、その方の生活の方法も含まれます。
漢方はお薬だけに頼るものではなく、お悩みの症状を治療し、再発しない健康な体質を取り戻す治療です。
生活方法の改善も『ストレスをなくして、無農薬のものを食べよう』といったような誰にでもあてはまるような健康論ではなく、おひとり、おひとりの体質にあわせた身体に負担のない生活をおくる方法を漢方では教えてくれます。
漢方=漢方薬ではなく、漢方=総合自然治療なのです。
漢方薬はその1つの方法です。
漢方のご相談はあなたにあった方法でされてかまわないと思いますが、『漢方って本当はどんなの?』って迷ったとき
『なぜ私はこの漢方薬なんですか?』(漢方理論に基づいた体質判断)
『今後、どういうふうによくなっていくのですか?』(体質判断から考えられる治療戦略)
などのことを治療される方にお聞きください。
治療される方にしっかりした考えがあれば、例え、あなたが漢方について知ら
なくても感覚的に納得できる答えが返ってくるはずです。
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